オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】




アプレクターじいちゃんが言うように、その森や渓流や草地には、今では貴重な生命が幾万と生きていた。


あたしは鳥の目を借りて空から、魚の目を借りて川から、ウサギや虫の目を借りて地から。


事細かにその地を見せてもらい、また、その地に生きる生命たちの想いも知ったから。


子どもを守りたくない親がいるだろうか。


住み慣れた家を突然に壊され、永久に戻れないのを喜ぶものがいるだろうか。


いきなり食糧と水を奪われ、明日も知れぬ生活を強いられる過酷さに永久に耐えられる生命があるだろうか。


人間にとってたかが一本の木、ひとつの小さな池であろうとも。


そこに生きる生命たちにとっては、かけがえのない生命の糧となるもの。

木一本が減るだけでも、生態系に微妙な陰を落とすのだから。


あたしは、小さな頃に遊び慣れた林が潰された哀しみを思い出した。




あたしの家から子どもの足で30分くらいで行ける距離に、小さな林があった。


木の種類は覚えてないけれど、小さな池があってリスやウサギなんかもいて。