アプレクターが示した方角を見れば
そこには、和服姿のナギがいた。
たった2日見てなかっただけなのに、まるで1ヶ月は離れていたような気がしたのはなんで?
紬の和服を着たナギは細身によく似合っていて、地味な色がかえって端正な顔だちと色っぽさを引き立てていて。
なんでだろう……
あたしの心臓が一瞬小さく高鳴ったのは。
名前を呼ぼうとしたあたしの口は、直ぐに凍り付いたように動かなくなる。
それまで樹木の陰で見えなかったけど、ナギが女性の手を引いてたから。
遠目から見てもまぶしいほどの美しさから判る。
皇家の御息女の命さん。
ナギの婚約者。
灯籠の仄かな灯りに照らされた2人の美しい姿は幻想的ですらあり、あたしが踏み込めない夢世界の人間だって思える。
「渚さん、帰ろう」
ナギに気付いたらしいマモル君があたしの手を取ったとき。
ナギの目がこちらを向いたから、あたしはまるで金縛りにあったように動けない。
「おやこれは、渚さんに田島さん」



