オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】




アプレクターはあたしの拳で新たなこぶをこしらえながらも、まだ話を続けた。


《この地は昔から緑豊かでのぅ……様々な生命が満ち溢れておった。
吹く風はどこまでも優しく、降る雨は草木の芽吹きを導き。
みな安気に暮らしておった。
たまに日照りや長雨で実りが少なくとも、いろんな樹木や草などがあったから、そこの生命たちが食いつなぐのに最低限必要な食糧はあっての。

みな満ち足りなくとも穏やかに静かに暮らしておったんじゃ。

ちょうど300年ほど前じゃったかの。
ここの地の木が次々と伐られ、生命たちは棲み慣れたこの地を追われてしもうたんじゃ。
後に出来たのはこの屋敷と田畑じゃった。

じゃからまだましじゃった。
水を引かれた小川や田には四季折々の生命が満ち溢れて、新たな生命の棲み家となったのじゃから》


アプレクターじいちゃんはそこで言葉を切り、大きなため息をついた。


「人間の開発ね」


あたしはアプレクターじいちゃんの言葉を継いで言う。

《そうなんじゃよ……
ほれ、あちらの方に山が見えるじゃろう》