《隙あらば!たぁ~っちじゃ!!》
その声が聴こえるか聴こえないかの刹那。
あたしは素早く目線を落とし、胸元から下をきッと睨みつけた。
ピタリ、とあたしの胸元に触れる直前で止まったのは。
藁とかの干し草や枯れ草が集まり、人の手のような形をなしたもの。
とは言っても、それはたぶん他の人間には視られない。
どうしてかというと、それはあたしの足元の影から伸びていたから。
アプレクター。
だけど、こんな種類は初めて。
それは影に溶けこんでいるつもりかもしれないけれど、その姿はあたしから視ればばっちりと判別出来る。
あたしはそれを睨みつけたまんま、足を思いっきり上げて……
それに全体重を乗せて踏みつけてやった。
《ぶへげっ!》
それは奇妙な叫び声を上げて、あたしがそのままぐりぐりと足蹴にしてやると、たまらずに悲鳴を上げはじめた。
《ぎょええ~~!痛い痛い!痛いでござるよ!わしが悪かった!謝るからやめちくり~》



