オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】




あたしとマモル君が通されたのは、それは立派なお座敷で。


軽く30畳はありそうな広さに、壷や掛け軸なんかの美術品がアクセントとして飾られてた。


透かし彫りの鴨居なんかもため息が出そうな見事さだけど。


瑠璃色の香炉からは雨上がりの緑のような瑞々しく爽やかな薫りのお香が焚かれて、あたしの気分も自然と鎮まっていった。


「命(みこと)お嬢さまのおいででございます」


紺色の紬を着た白髪の女性がそう告げると、わずかにも無駄な音を立てずに姿を現したのは。


年の頃はあたしと同じかひとつふたつ上くらいに見えた。


お嬢さまの肌は雪のように白くて、透き通るよう。


体つきも全体的に線が細くて、華奢っていうのかな。


なんだか儚さと脆さを併せ持っていて、支えがないとちょっとした風が吹いても倒れそうな感じ。


すっきりした目元と艶やかな唇には柔らかな笑みが浮かんでいて。


顔つきはそりゃあもう、これ以上ないくらいに着物が似合う日本美人でしたとも。


仕草ひとつとっても品の良さと優雅さを感じられて。