マリリンが去った後、あたしは独りで校門の壁に背を預けながら空を見上げた。
6時を過ぎた2月の空はすっかり暮れなずんで、藍色の帳が空を覆い尽くし、宝石を散りばめたような星の輝きがそこかしこで瞬き始めてた。
……やっぱり帰ろうかな。
産土探偵事務所に行くのも気が重いし、マモル君と顔を合わせるのもなんとなく辛くて。
あたしはカバンを左手で持つと、壁に手を着けたままゆっくりと右足に力を入れた。
大丈夫、あたしは独りでも大丈夫。
独りでも立てるし、歩いてゆける。
誰の手も借りなくていい。
右足がしっかりした支えになり、あたしはちゃんと立ち上がれた。
まだ少しめまいがするけど、大丈夫。
何ともない。
あたしは壁から手を離して歩き始めた。
歩き始めて数分も経たない内に、あたしは立ちくらみがしてその場でうずくまった。
胸が、胃が、中から押し上げられたみたいに吐き気がこみ上げてきてきた。
しばらくしてタイヤの軋む音とドアが開く音が聞こえてきて、あたしを呼ぶ声がした。



