オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】




「ゴメ~ン!この後ジュンと約束してんだ。
マリリンにもナル君が迎えに来るし。
その代わりっちゃなんだけどさ。
ジュンにあんたのコト話したら、隣で聴いてたマモル君があんたを迎えに来てくれるってさ」


ユリは多少気まずそうに、でも嬉しさも混じった顔で言う。


「いや~、キャンにも遂にカレができたか!めでたいめでたい。今夜はお赤飯よ~」


ユリが得意の裏声でおばさんの真似をして、甲高い声と独特の口調で言うものだから。


あたしは涙が流れたまんま、可笑しくて泣き笑い状態になっちゃった。


ユリのお母さんは飲み屋さんを切り盛りしながら、女手ひとつで娘を育ててるけど。

暗さや卑屈なところなんか少しもなく、明るくてバイタリティー溢れてて、しかもいつまでも若々しくて。

不良客が来ても一喝して追い返す迫力があって、娘であるユリとも仲がよく、気配り上手で優しくて。

そんなお母さんをユリは尊敬してるし、あたしもすごいと思う。

だから、そのおばさんの声に似たユリの励ましで、あたしはちょっぴり元気づけられた気がした。