こんなにもあっさりと壊れちゃうんだ……ね。
ケンも他の男と同じだったんだ。
信じてたのに、あたしの父さんと同じ生き物だったんだ。
十年という長い時間を一緒に過ごしただけに、あたしの中で砕けたモノは決して小さくはなかった。
「ちょっとデザート買ってくるね」
ユリはあたしの様子が変だと感じたのか、話を切り上げて席を立つ。
あたしはほんの少しだけ安堵した。
これ以上嫌な事実なんか何も知りたくないよ。
2月で暖房も効いてる訳じゃないのに、やたらと流れる汗を拭いたくてスカートのポケットに手を入れると。
さっき見つけたけど慌ててしまった紙片らしきものが手に当たり、ハンカチと一緒に出したあたしはそれを広げてみた。
それは汚れ具合から見覚えがあった。
去年ペット殺害事件の時期に事務所の掃除をした時、ナギの机の下から出てきたもの。
そういえばナギに渡そうとして、財布の中にしまいっぱなしだった。
なんとなく気になって折り畳まれた紙片を広げてみると……。



