そういえば。さっきあたしたちとすれ違った女の子が、ちょうどそんな感じだった。
でもまさか……
ケンに限ってそんなこと。
「今まではこっそり会ってたみたいだけど、一週間前からとうとう学校でも堂々と会うようになったってわけ。
チカはバイトやらでこれまた知らなかったみたいでさ。
バッタリと学校でケンとその女が2人でいるのをその目で見ちゃえば何の疑いようもないっしょ?
ホント最っ低!
ウチだったらその場でビンタ10発は喰らわすね」
……だからなんだ。
だからケンを半月前からそんなに見かけなくて。
と、同時にあたしの胸に小さな痛みと虚しさが広がった。
幼なじみなのに気付いてあげられなかった、という思いと。
どうしてチカもケンもあたしに一言も言ってくれなかったのか、という事実。
自己嫌悪と他の思いでぐちゃぐちゃで、あたしはますます気分が重くなってゆくのを感じた。
ケンだから信じてたのに。
小学校であたしを庇ってくれた時から十年。
ずっとあたしたちは一緒だったのに。



