オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】




いったいどういう意味なの?


喉まで出かかった言葉を、あたしはすんでのところで飲み込んだ。


マモル君の……


彼の緊張感が袖を通してあたしに伝わってきたようで。


自分の体が微かに震えだしたのが判った。


マモル君と知り合ったのはナギと同じ日だし、もう4ヶ月以上知り合いとして博君を連れて一緒にいろんなところに出かけている。


男性としてはナギ以外に一番長くあたしの近くにいる人だから、彼の人となりはよくわかってる。


ナギとマモル君と博君のお陰であたしは、半年前と違って男性に多少触れられても大丈夫になった。


ただ、それはその3人とケンだけの話で。


知らない人に対してはあたし自身の努力の成果もあり、10cm以内に近づきながら目を合わせて話しても大丈夫になった。


触られるのは嫌悪感が先立ってダメだけど。


……でも。


だからといって、多少は親しい人でもまだ2人きりで出かけたりするのは考えられなくて。


あたしは一晩考えさせてください、とマモル君に頭を下げた。