オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】




「渚さん、今度の日曜日に映画でも観にいかないかい?」


産土探偵事務所からの帰り道。


女の子と子どもだけじゃ危ないから家まで送るよ、と気を利かせてくれたマモル君が、あたしにしか聞こえないような低い囁きでそう言ったから。


「あ……それなら博君がアニメ映画観たいって言ってたから。
一緒に行けるかきいてみるね」


ぼうっとしてマモル君達に気を遣わせたコトが悪くて、あたしは数歩先を歩いていた博君に追い付こうと足を速めようとした瞬間。


マモル君はあたしの腕の袖、手首を掴んでそれを止めたから。


いつもなら自分から博君に話をする位なのに。


いったいどういう事か解らなくて彼の顔を見たら……


マモル君の表情は、いつもと全然違った。



「……いや、今回は博君と関係ないんだ」


街灯の明かりから少し外れたマモル君の表情は全部見えなかったけど。



少なくとも、あたしを真っすぐに見た視線と声音は真剣で。


緊張をしてたのか、一瞬だけ軽く触れた指先は不自然なほどに冷たかった。