どうしてか、杏子には上手く言えない。 他の相手ならば、どんな嘘八百でも誤魔化しでも出来るのに。 しかし。 杏子の方から俺の背中越しに抱きついてくるとは思わなかった。 背中に感じたのは杏子自身の温もりと、何よりも透明で清らかな滴。 「……ありがとう、ナギ。 こんなにステキな誕生日プレゼント初めてで、すごく嬉しい。ずっとずっと大切にするね」 杏子の肌を通して感じた熱は、もはや微熱だったが。俺の中に再びあの熱が疼き始めて。 俺はまた、杏子と肌を重ねあわせた。