たぶんそのときには、お互いの熱に違いはなかったかもしれない。
今までよりも強く強く杏子の身体を抱きしめ、その背中に腕を回した俺は、杏子とひとつになった。
その口から漏れる声は全て唇で塞ぎ、ただただ本能のままに体を動かし続けた。
全てが終わった後杏子は意識を失ったのか、眠ったのか。
俺の腕の中で全身の力が抜けたように寄りかかり、小さな寝息を立てていた。
その寝顔を見ているだけで、こうして肌を触れあわせているだけで、満ちてくるものは何なのか。
温かで柔らかなものが、芯から心に満ちてくる。
優しさと暖かなもので心が満たされる。
その余韻で杏子の身体を離したくなくて、ずっと抱きしめたまま夜を過ごした。



