オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】




どうして今まで誰にも明かしたコトのない事実を話したのか。


親父以外の人間では一番心を赦しているマモルでさえ、話したことがないのに。


どうしてこの女には。


どうしてこの女は。


俺の心の奥底をさらけ出させる?


どんな女よりもバカで、愚かなやつなのに。


また頬に鋭い痛みが走ったのが、怒鳴りつけた直後だった。


杏子が俺の頬を再び張ったらしい。


「いい加減にしなさい!!」

平手打ちに負けない鋭い声で、杏子は俺を叱責した。


「あんたの過去は確かに同情したくなるけど、だから何?
抱き締めて可哀想ね、って一緒に涙を流せばいいわけ?
バカじゃないの!
そんな風に慰めてあげるのは、せいぜい小学生までだわ!
あんた今幾つよ?
傷を舐めあうだけならいくつでもできる。
でも、大きくなった今なら出来ることがあるでしょう!
自分で過去を乗り越えるっていう大切なことを!
いつまでもぐじぐじ過去にすがって一生いじけたいならそうしなさい!
でも、年を取れば取るほど過去は振り切れなくなるんだからね!」