……どうしてこうなるんだ!?
俺は心の中で呟いた。
産土探偵事務所からの帰り道、珍しくマモルが深刻な顔で
「明日相談したい事がある」
と言ったから、二つ返事で引き受けたのだが。
翌日駅前で待ち合わせをし、わざわざ電車を乗り継いで向かった先は。
俺たちが住む市よりも大きな、県庁所在地の某市。
それも、駅から数分で行ける、全国有数の百貨店やショッピングモールが林立する、地元では有名なショッピングエリアだった。
「悪いな、付き合ってもらってさ。
地元だと知り合いに会わないとも限らないし、かといって1人じゃ勇気がなくてさ。恩に着るよ」
そう言い訳したマモルには、プラチナ・バロンでの昼飯で手を打つ約束をさせたが。
よりによってマモルの向かった先は、この時期にカップルや女性が群がる、アクセサリーやレディースファッション専用の店やフロアだった。
クリスマスイブまでには日数がないせいか、ちらほらと男の姿も見える。
少しでも良いものを贈って、女の歓心を買いたいのだろう。



