オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】




人は、いくら関わろうが、所詮行きずりの関係と同じで。


いつかは離れてゆくのが当たり前なのだから。


だから、杏子が何をしようが、どうしようが、俺は興味がないし関係ない話だ。


一時は永遠の愛を誓ったハズの俺の母親も、いとも簡単に親父を捨てた。


女にとって、所詮男は利用価値があるかないかだけが判断基準なのだ。



泊まったホテルでは杏子も俺にああ言っていたものの、実際に俺は信じきれてなどいなかった。


マモルと楽しそうに話をする脳天気な杏子を見ていると、俺はなぜか気分がムシャクシャしてきたから。


やつにはいつもの3倍量のファイル整理を命じ、手伝おうとするマモルには手を出すなと言っておいた。


いつもながら不満を漏らす杏子をいじりまくっても、その日の俺はなぜか気分が晴れなかった。