あの事件による負傷で俺は1ヶ月ほど入院したが、退院後直ぐに期末試験を受けた。
もはやアキバ系オタクの振りをするのも煩わしいから、今まで抑えていた実力を出したら。
結果はオール満点で学年トップの成績となった。
超一流と言われる名門進学校でも、大した事はない。
今までは目立たないため、わざと成績を落としていた。
赤点ギリギリの科目も多かっただけに、担任を始めとした先生方の不審げな視線もどうってことない。
俺の真の実力を見抜けなかった、無能揃いばかりなのだから。
期末試験の結果が出て学校行事も一段落した12月の中旬。
学校では年末年始を過ごす計画を立てる者を見るのも珍しくない。
両親揃って海外の別荘や別宅で過ごすだの、知り合いのハリウッド女優とラスベガスへ行くだの、どこぞの王室に招かれて過ごすだの。
所詮は親の七光りにすぎない、バカボンボンどもの自慢話の輪に混じるのもアホらしい。
その点俺の唯一の友人であるマモルは、年末年始じゅう親の病院を手伝うという。



