「まさか……クロ……クロなの!?」
博君が呼ぶと、その光はトテトテと歩み寄り。
口にくわえた何かを突き出すと。
最後に一声だけ鳴いて――
千の光となって砕け散り、空へと昇っていった。
博君の手の中に遺されたのは――
賞味期限が1ヶ月まえの、あんパンだった。
それはひどく乾燥した上に黴びていて、袋も泥やシワでくちゃくちゃだった。
でも――
一番目に留まったのは、赤黒い汚れ。
「きっとクロは最期まで……博君にそれを食べさせてあげたかったんだね。
命を落としても、離さないくらいに。
そんなに想われてた……博君、君は独りぼっちなんかじゃなかった。
これからだって、クロはいつでも会えるよ。
君の思い出のなかで。
そして、みんないる。
クロの代わりにはなれないかもしれないけど。
あたしたちは、いつだって会えるんだから」
あたしがそう言うと、博君はあんパンの袋を抱きしめながら静かに泣いた。
その間に、周りの陰は全て淡い光となって消えていった。
博君が呼ぶと、その光はトテトテと歩み寄り。
口にくわえた何かを突き出すと。
最後に一声だけ鳴いて――
千の光となって砕け散り、空へと昇っていった。
博君の手の中に遺されたのは――
賞味期限が1ヶ月まえの、あんパンだった。
それはひどく乾燥した上に黴びていて、袋も泥やシワでくちゃくちゃだった。
でも――
一番目に留まったのは、赤黒い汚れ。
「きっとクロは最期まで……博君にそれを食べさせてあげたかったんだね。
命を落としても、離さないくらいに。
そんなに想われてた……博君、君は独りぼっちなんかじゃなかった。
これからだって、クロはいつでも会えるよ。
君の思い出のなかで。
そして、みんないる。
クロの代わりにはなれないかもしれないけど。
あたしたちは、いつだって会えるんだから」
あたしがそう言うと、博君はあんパンの袋を抱きしめながら静かに泣いた。
その間に、周りの陰は全て淡い光となって消えていった。



