オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】

しばらくはきょとんとした顔をしていた博君は――


大粒の涙をぽろぽろとこぼして、あたしのスカートにしがみつきながら泣きじゃくった。


ごめんなさい、と何度となく謝りながら。


あたしは博君を抱きしめながら、彼の背後に蠢いていた陰たちに、瞳で語りかけた。


あなたたちももう、お休みなさい。


あなたたちのいるべき場所は、ここじゃない。


大切にしてもらった


愛してもらった


その日々を思い出すの。


そうすれば、どうすればいいのか解るよね?


本当は心優しいあなたたちだから――


還りなさい


優しい人たちや仲間のもとへ。


あたしの想いに応えるように


陰は


ひとつずつ闇のように濃い陰から、淡く光を放つ球となってゆっくりと舞い上がる。


まるで、天に昇るように。


そこで、ひときわ大きな光を纏う球が現れた。


それは……


猫の形をしていた。


博君が写真で見せてくれた、右耳が少し垂れていて、尻尾が欠けたように短い。