オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】

「……気付いて……たんだね」


博君が哀しそうな瞳で、ナギに向かって言った。


「……ああ。最初にお前を見たときに視えた“陰”。
全て怨念や恨みに支配された、犬や猫の姿が見えたからな。

被害動物たちは犯人に殺されても訳が分からず死にゆくが、僅かにでも遺った飼い主や現世への“想い”が、おまえの犯人への憎しみと感応し、おまえの強い感情に引き込まれ、飲み込まれた後には悪意ある存在へとなり果てた。

おまえは連続ペット変死事件の犯人を、知っていた。

だから、ヤツらをどうにかしようと俺たちに依頼をかけた。

もう既に死んだクロを探す、という奇妙な依頼をな」


「えっ!?」


それは本当なの!?


あたしが目を丸くすると、博君はうなだれたままあたしに謝った。


「オレも……半分は本気だった。クロが生きてて欲しいって……心のどこかで願ってたよ……」


でも……


博君のそれ以上の言葉は、声にならなかった。


……やっぱり、死んでたんだね。


博君がそう呟いた途端、ナギの楔は解かれて解放された。