オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】

「俺は、おまえたちに安息の地へ還って欲しい。

苦しむのは傷つけた相手だけでない。

おまえたち自身もなのだから」


どれだけ血を流して激痛に苛まれながらも、ナギはひとつひとつの陰……


“生命たち”に、優しく語りかけた。


あの傲岸不遜で


二枚舌で


二重人格の


最低な男だったはずなのに。


あたしは


涙が止まらなかった。


つらいよ……


ナギのそんな姿なんて見たくない。


許されるなら、今すぐ助けたい。


でも、


止めちゃ、いけない。


あたしが入る隙間なんて、ない。


これは、ナギと生命たちの対話なんだから。



あたしは、ナギの傷が少しでも浅いように。


生命たちが解ってくれるように、祈るしか出来なかった。


つらくても、ナギの血まみれの姿と陰を直視した。