オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】

「ここだからだ。……それに」


お前は俺から離れないと誓ったろう?


耳元でそう囁いたナギの唇は、あたしの耳をそのまま優しくいたぶる。


あのときの柔らかな感覚に捉えられたあたしは、薄皮を剥がされるみたいに、抵抗する力を徐々に奪われていった。


いつの間にかブラウスのボタンが2つ3つ外されていても、ぼんやりとしたあたしの頭はおかしいとも考えられない。


少しはだけた胸元にナギの唇が来たとき、あたしの体に強い変化が起きそうになった。



その刹那だった。




いつの間にか床の間の入口に、博君がいたなんて。


あたしは一瞬で現実に返ってナギから逃れようとしたけど。


彼はあたしを決して離そうとしなかった。


「杏子お姉ちゃんを放せよ!!」


博君がナギを睨みながら叫ぶ。



でも、ナギはあたしを離すどころか、唇であたしの言葉を強く封じ込めた。