オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】

和室の床の間には一対の布団が真ん中に敷いてあって、そこまでならあたしの力も持ちそうだった。


敷居を踏み越えた時にナギの足がよろめいたから、あたしは慌てて彼を支えようとして。


あまりの勢いにあたしの足が耐えきれず、ナギと一緒に畳の上に倒れちゃって。


また鼻をぶつけたあたしは、右手で痛む鼻を押さえようとしたけど。


右手をナギに押さえつけられた、って知ったのは、目を開けてからだった。


あたしは横向に倒れて、ナギがその上に覆い被さるような体勢で。


不思議とヤツの重さを感じなかったけど、あたしはナギの体調が心配で横目で見ながら言った。


「早く休まなくていいの?気分が悪いんでしょ」


「そんなもの、とうに治った」


「えっ?なにそれ……っ……!!」


あたが体をひねらせてナギの顔を見ようとしたら――


ヤツの唇が降ってきて、あたしの口を強引に塞いだ。


「……ッどういうつもり……ここは……!」



あたしが睨みつけると、ナギは涼しい顔で言う。