オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】

あたしはそう思ってナギを横目に見てみたけど。


ヤツの顔は影の具合からじゃなく、本当に青白くて具合が悪そうに見えた。


「あら、まあ。これは気が利きませんで……
床の間にすぐお布団を敷かせてもらいますわ」

静江おばあちゃんもそうなると、60過ぎと思えないほどしゃんとした腰つきで飛んでいった。


5分ほど経って静江おばあちゃんが戻ってきて言った。


「床の間にお布団を敷きましたから。どうぞお休みください」


だけど、ナギの顔色は相変わらず悪くて。


「ありがとうございます。渚さんに肩を借りて行きますから、それ以上はお構いなく」


静江おばあちゃんの前でそう言われたら、あたしはその通りにするしかないでしょ。


さり気なくあたしを利用してくれるナギにあたしは憤ったけど。

触れたナギの手のひらはひんやりと冷たくて、あたしは思わず身を竦めた。

心配になったあたしはナギに肩を貸しながら、時々彼の顔を見たけど。

やっぱり冗談じゃ済まされない位にナギの顔は青かった。