オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】

ナギの用件は、25年前にこの地域で起きた連続ペット変死事件についてだった。


いつの間に調べてたのか、ナギはあたし達が知らない事実を交え話しながら、おばあちゃんに的確な質問をしてた。


あたしも博君も、ナギに静江おばあちゃんの話はしてないはずだよね。


だとすれば、いつ知ったんだろう?


ナギは最後に巧みな二枚舌で、タロウが命がけで遺した注射器まで受け取ってた。


「ありがとうございます。これできっとタロウくんの無念を晴らしてみせます」


「どうかよろしくおねがいします。タロウもきっとあなた達を助けてくれるはずですから」


静江おばあちゃんはエプロンの端で目頭を押さえながら、ナギに頭を下げてまでお願いしてた。


やっぱり静江おばあちゃんも、ずっとずっとタロウくんの無念を晴らしたかったんだ。


「ところで申し訳ありませんが、少し気分がすぐれませんので休ませて頂いてよろしいですか?」


ナギがそう言ったけど、さっきまであんなに二枚舌を使ってたヤツが、気分が悪い!?


冗談は休み休みにしてよね!