ナギの唇はあたしの頬をかすめて耳にたどり着くと、優しい声で囁いた。
「俺のために毎日料理を作るか?お菓子を作れるか?」
「今でもやってる……でも、努力するか……ら」
あたしの背中に手を回したナギは、あたしを強く抱き寄せた。
ナギの腕の中にいたあたしは、今までにない柔らかで心地いい感覚で全身を包み込まれたような気がして。
逆らうどころか、離れる気持ちは少しもおきなかった。
「なら、俺を裏切るな。裏切ったら赦さない」
俺の側から離れるな――
そう囁いたナギの声は、甘いお菓子みたいにあたしを絡めとる。
ナギの唇があたしの耳をそのまま甘咬みした刹那、あたし自身の中に今まで知らなかった感覚が走って。
あたしが思わず声を漏らすと、ナギの柔らかいキスが首筋に降ってきた。
怖いけど……
ナギなら、いい。
あたしがその感覚に身を委ねようとした瞬間だった。
専用回線の電話機から、甲高い呼び出し音が鳴り始めたのは。
「俺のために毎日料理を作るか?お菓子を作れるか?」
「今でもやってる……でも、努力するか……ら」
あたしの背中に手を回したナギは、あたしを強く抱き寄せた。
ナギの腕の中にいたあたしは、今までにない柔らかで心地いい感覚で全身を包み込まれたような気がして。
逆らうどころか、離れる気持ちは少しもおきなかった。
「なら、俺を裏切るな。裏切ったら赦さない」
俺の側から離れるな――
そう囁いたナギの声は、甘いお菓子みたいにあたしを絡めとる。
ナギの唇があたしの耳をそのまま甘咬みした刹那、あたし自身の中に今まで知らなかった感覚が走って。
あたしが思わず声を漏らすと、ナギの柔らかいキスが首筋に降ってきた。
怖いけど……
ナギなら、いい。
あたしがその感覚に身を委ねようとした瞬間だった。
専用回線の電話機から、甲高い呼び出し音が鳴り始めたのは。



