オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】

ナギの目は怖かったけど、きっと話を聴いてくれるハズだと思ったから。


でも、現実はそんな風にのんびり構えていたあたしの思いを、すぐに打ち砕いた。


どういうつもりかわからないけど、ナギは体重を乗せて体をあたしに寄せたから、あたしの身体は浴槽の壁とナギの身体に挟まれる格好になってた。


「ちょっとナギ!なにからかってるの!あたしは真剣なんだから……」


あたしが抗議の声を上げると、ナギの手があたしの手首を掴み、乱暴に浴槽の壁に縫い止める。


「……ああ、そんなの口先だけだろ?」


聞こえてきたナギの声は、心底冷たくて。


あたしは思わず肌がゾクリと粟立った。


「女はいつもそうだ。男に尻を振って寝るコトしか考えてない。
生まれながらの淫売でしかない。
俺に近づく女もどんなに貞淑面しようが、所詮は盛りのついた雌ネコ。
行き着く先は一つしか考えてない……
なにもない空っぽのアタマしか持ってない。
人前でどんないいヤツを装おうが、中身は同じだ。
愚かで救いようのない存在」