「ナギ、あなたはあたしの言葉には耳も貸したくないかもしれないけど、あたしの言うことを少しでいいから聴いて」
言葉を切ってチラリとナギの横顔を見たけれど、彼は聴いてるのか聴いてないのか全然わかんない。
でも構わずに、あたしは言葉を続けた。
「マモル君から聞いた、ナギの女性嫌悪症……もしかしたらその傷が原因なんでしょ?
前にもあたし言ったでしょ?
何かある時は誰かに話しなさいよ、って。
あたしじゃバカすぎて聞き役にもならないかもしれないけど……
あたしで良ければいつでも聴くから。
あたしもナギと同じだから、少しは理解出来ると思う……」
あたしが言葉を全部言い終えない瞬間、だった。
大きな水音がしてハッと顔を上げると
いつの間にか、ナギの顔が目前にあった。
あたしとナギの体は数センチと離れていなくて、自分が追い詰められたのだと知った。
濡れて張り付いた黒髪の間から垣間見えたナギの目が、いつになく赤く輝いてた。
気がついてたんだ……
あたしは小さく息をついた。
言葉を切ってチラリとナギの横顔を見たけれど、彼は聴いてるのか聴いてないのか全然わかんない。
でも構わずに、あたしは言葉を続けた。
「マモル君から聞いた、ナギの女性嫌悪症……もしかしたらその傷が原因なんでしょ?
前にもあたし言ったでしょ?
何かある時は誰かに話しなさいよ、って。
あたしじゃバカすぎて聞き役にもならないかもしれないけど……
あたしで良ければいつでも聴くから。
あたしもナギと同じだから、少しは理解出来ると思う……」
あたしが言葉を全部言い終えない瞬間、だった。
大きな水音がしてハッと顔を上げると
いつの間にか、ナギの顔が目前にあった。
あたしとナギの体は数センチと離れていなくて、自分が追い詰められたのだと知った。
濡れて張り付いた黒髪の間から垣間見えたナギの目が、いつになく赤く輝いてた。
気がついてたんだ……
あたしは小さく息をついた。



