オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】

あたしはあたしに負けたくない。


どんなに苦しくても、克服したい。


男だからという理由で拒否する、自分の浅ましくて醜い心を消したい。


あたしは……


綺麗ごとでもいい。


何かだからなにだ、という決めつけをしたり色眼鏡で見る人間になりたくはなかった。


あたしが


あたし自身が、それで数限りなく傷ついてきたから。


苦しんできたから。


だから、こんなのはイヤ。


あたしは確かにナギを最低男と思ってた。


でも、そんなナギだって、あたしと同じように苦しんできた。


もっと傷ついてきたのかもしれない。


わずか3歳で殺されかけたトラウマだって、十分に理由になる。


だけど、だからって。


女性だからって、みんな同じだって。


ひと括りにして欲しくないよ。


そんな考えは哀し過ぎるから。


あたしはナギが、それから少しでも解放されて欲しい。


きっとナギだって、苦しんでるはずだから。


あたしと、ナギは同じだから。