自分で選んだりした結果や、自分でひき起こしたコトで非難されるなら仕方ないし、まだ納得もできる。


自分自身の責任なんだから。


でも――


あたしだって好きで女の子に生まれたワケじゃない。


自分で選んだワケじゃない。


なのに……


自分でもどうしようもないコトで頭から否定され、拒否される。


同じだからみんな同じという概念や思い込みは理不尽で、滑稽で。


同時に、ナギの中にある根深い傷跡と執念に対しても、怒りが湧き上がってきた。


そう考えてるあたしも同じだった。


きっとあたしもナギと同じ。


あたしは殺されかけた経験はないけど、お父さんや他の経験から、男の人はみんな同じだって、心の底では思ってた。


ナギに拒否されて初めて、あたしは自分の中にあるものに真正面から向き合った。


あたしは表面的には男の人を区別し理解しようと思ってたし、そうしようと努力した。


だけど、心の奥では違った。


どこか軽視し警戒して嫌悪していた。


男ってだけで。