オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】

ガラス張りの自動ドアから正面玄関に入ると。
正面ロビーみたいな場所じゃなくて、なんでか大きなパネルがでんと置いてある小さな空間に出た。

おっきなパネルには部屋みたいな写真がずらりと並んでて、下にご宿泊はいくら、ご休憩はいくらとか書いてある。


「ここって休憩できる場所なんだ。気分が悪くなったり疲れたりした時は便利だね」


こんな親切な施設があるなんてあたしは知らなかったから、あたしは感心しちゃった。


なら、きっと看護婦さんなんかもいるのかな?


「あ……いや、そういう訳じゃないんだけど」


なぜかマモル君の言葉の歯切れが悪い。


「場所空いてるのかな?ならそこでみんなで休もうよ。ひどい格好だから風邪引いちゃう。お金はあたしが払うから」


どうやって選ぶかわかんないけど、あたしは横にある設備一覧から、お風呂やドライヤーや洗濯機がある部屋を見つけた。

やっぱりお風呂で温まってさっぱりして、服も洗濯しちゃった方がいいよね。

あたしは部屋のボタンを押してみた。