オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】

「しかたないよ。マモル君は一生懸命に案内してくれたんだもん。
とりあえず駅に戻ろうよ」


あたしがそう言ってる最中だった。


突然ポツポツと雨粒が降ってきて、それがあっという間にどしゃ降りになったのは。


とりあえずあたしたちが駅を目指して走ってる最中、マモル君があるものを見つけてあたしたちに叫んだ。


「見ろ、灯りだ！とりあえずあっちに行ってみよう！」




そこは人目を忍ぶように林の中にあった五階建ての建物で、外装はシックな茶色で落ち着いた雰囲気だった。


敷地を壁と同色の外垣がぐるりと囲むようにしてるのはなんでかな？



たぶん、マンションか何かかな。


もしくはリゾートハウスとか……


駐車場を突っ切って走る最中、正面にはやたらと派手な電飾で７色にライトアップしてるのが見えたけど。
イベントでもやってるのかな？


なら、あたしたちが紛れ込んでも大丈夫かもね。


あたしたちはマモル君を先頭に建物の正面玄関まで走って、庇の下に着いた時にはもうずぶ濡れだった。