オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】

あたしたちはとりあえず、近くのコンビニを目指しながら歩いてた。


マモル君が子どもの頃よくこの辺りで遊んだ覚えがあるから、ってコトで、道案内は彼に任せてあたしとナギは後ろから着いてく。


博君はマモル君が背負ってくれたから、ちょっと疲れてたあたしには有り難いかな。


あたしとナギの間に会話は全然なくて、少なくとも1mは離れて歩いてたけど。


郊外とはいえ、本当に何もない。

時々思い出したように街灯が点いてる程度で、後は林とか畑とか。

あっても農作業用のバラック小屋くらいしか見当たらない。


人家どころか他の建築物は何にも見当たらないんだから、本当にこっちでいいのかな?


「この辺りに確かあったはずなんだけど」


マモル君がそう言った場所は、更地になって草がぼうぼうに生えていただけ。

建物があったらしい場所に、舗装用のアスファルト片が残ってた。


「ごめん。まさか潰れてるなんて……1年前にはあったんだけど」


マモル君は謝ってくれたけど、あたしは仕方ないよと思う。