オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】

「博君、あれを止めて!!」


あたしは博君の体を揺さぶり、大きな声で言ってみた。


だけど、博君の目は虚ろなまま、何も映してない。


現実のなにも見ていない。


あたしはやりたくなかったけど、手をふりかぶって博君の頬を叩いた。


大きな音が響き渡り、博君の体が反動で崩れ落ちた。


「博君のバカ!!こんな事をして、クロや天国のお母さんやお父さんが喜ぶと思うの!?
いくら憎くても、人を傷つけたり殺したりしたら、君自身が一生癒えない傷と償いきれない罪を負う事になるんだよ!
あたしは、博君にそんな苦しみを味わってほしくない!!
人に知られなくても、罪は一生君を苦しめるんだからね!」


あたしは夢中でしっちゃかめっちゃかに喚いてたと思う。


だけど、博君からは何の反応も返ってこなくて。


「お願い……お願いだから止めてよ」


あたしはずぶ濡れになるのも構わず、博君を力いっぱい抱きしめた。


何もできない自分の無力さに、涙が止まらない。