オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】

一体どうすればいいの!?


この陰たちが2人を池に落とし、幾つも絡みついて水底に縛り付けている様子があたしにはハッキリと視える。


たぶん、他の人には見えてない。


だれもその陰に目をやらないから。

でも、こんなのどうやって対処すればいいのか解らない。


あたしはそこでハッとある言葉を思い返した。


『ヤツから目を離すな』


ナギが昨日の帰り際、博君についてあたしに言ってたこと。


ナギは気付いてた!?


あたしは右の手のひらを見ながら思い返してみた。


博君を泊めた晩、彼に布団を掛け直そうとしたら、いきなり引っかかれた。


午前中に見たアラビアオリックスの柵の前で、無神経な言葉を吐いた人たちが喰いちぎられたような怪我を負ったこと。


そして今――


これは全部、博君がすぐ近くに居るときに起きた。


やっぱり、博君が原因なの!?


あたしは信じたくなかったけど、この現状を視てしまった以上は認めざるを得なかった。


……手のひらが……


手や腕が、震えた。