オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】

マモル君も気付いたのか、浮いた魚たちをじっと見て何か考えている様子だった。



「……あいつら……」



あたしの後ろから聴こえた声。


それはあたしが今まで聴いたどんな声よりも低く、重々しく、まるで地の底から響いてきたような。


明らかに畏怖を感じるものだった。


その声はまさか……


あたしが振り向こうと首を巡らした時、既に“それ”は動いてた。


目にも留まらない速さで黒いものがあたしの右手をかすめ、あたしはとっさに視線にとらえた“それ”を素速く追う。


霞のような“それ”は腕や紐のように伸び、水面下で信じられない猛スピードで突き進む。


あたしがまばたきすらせずに追ったほんの2秒後――


“それ”は、池から小走りで離れていた2つの小さな人影を捉えた次の瞬間。


池に大きな水音が2つ続けて響き渡った。


「子どもが池に落ちたぞ!!」


壮年の男性の怒声と悲鳴。


それでやっとあたしはハッと我に返って、子どもが池に落ちた場所を見てみた。