あたしは自分の目を無理矢理“それ”から引き剥がし、まだ見ぬ未知の男子に向かって意識を集中させた。


 ジュン君たちも一高って言うのに思ったよりくだけた印象だから、きっと「ナギ」君も茶髪なんだろな。

カッコいいコばかりだから、もしかしたらジュン君なんて目じゃないほどイケメンかも!

政治家とかの息子君より、やっぱどこかの社長の息子で、ゆくゆくはあたしも社長夫人なんちて。

あああ、あたしってば、バカバカ!
そんな大それた分不相応な夢を見てるなんて!
夢は寝てるときで十分よ!

あっ、でも、わかんないじゃない!
あたしだって頑張れば中小企業の社長夫人位は勤めれるはず……。

だけど!やっぱ可愛くないから無理じゃん!

ってゆーか、そんなの外見磨きでカバーできるよね!

知識教養で自分を磨けば……って!

あたし、英語2じゃんか。音楽も1だし、楽譜も読めないYO!←誰?

ああでも(以下略)


なんか想像すると止まらなかった。


だって…


あたしは男性嫌悪症だけど、夢の中の王子様にだけは憧れてるから。