オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】

ぎゃはは、とばか笑いしながら、角が幾らで売れるだの、鹿に見えても牛の仲間だから肉は旨いのかだの、剥製にしろだの。


ハタチ前後の若者グループが好き勝手な事ばっかり言ってて、あたしは心底ムカついた。


この生命ひとつひとつが、どれだけの想いで精一杯生きてるのか知らないくせに!!


だけど……


あたしの目の奥が熱くなる前に、若者たちの陰がゆらりと揺らめいた気がした。


――と。


さっきばか笑いしてた男の子が絶叫した。
なにごとかと皆が注目すると、男の子の指が喰いちぎられたように吹っ飛び、血が吹き出してたから、周りは一転してパニック状態に陥った。


その間にも次々と叫び声が聞こえ、倒れていったのは――


さっきの若者グループたち。


みんな大なり小なり噛みつかれたりした跡があって、現場はますます混乱してゆく。


そんな中で落ち着いてたのはマモル君。

怪我人を次々と手当てし、緊急処置を施して救急車が来るまで6人をちゃんと止血させてた。


流石は病院長の息子さんかな?