オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】

母さんは私を蹴り飛ばし、最後の力でヤツらの前に立ちふさがった。


三本の棒から一斉に轟音が響いた。


私は逃げ出した。


母さんが命を賭して守ってくれた生命を、失う訳にはいかなかった。




夜が過ぎ、昼が過ぎても私は走りつづけた。


体が重くても、渇きと飢えでたまらなくても、生きるために。


それが、逝ってしまった仲間たちへ出来る唯一のことだった。


私の体についたあの傷跡は容易に癒えず、体力も徐々に奪われていった。


私が他の群れに出会った瞬間に再びヤツらに会い、腹を傷つけられた。


その群も全滅し、微かな意識の中で見えたのは、生きたまま毛皮をはぎ取られ、断末魔の絶叫を上げる雌。

角を頭部から引き抜かれ絶命する雄。

私はなぜかそうされず、生きたまま連れ去られ、『ヒト』の都合によって生きる場所を転々とした。

だが、いくら苦しくても、惨めでも、私は逝ってしまった仲間たちに誓った。


最後まで生き抜くのだ、と。


それが、私にできる、『ヒト』への唯一の復讐なのだから。