オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】

私は慎重を期して、体勢を低くしながら近づいた。


あと三歩――


そうしたら、この角でヤツらを!!


そう思い、四肢に力を込めて大地を蹴り、今までにないほど勢いよく跳躍した。


ヤツらのうちの一匹がなにか叫んだ―


それと同時に耳をつんざく轟音がすぐ側で聴こえ、私のわき腹に激痛が走る。


私はもんどりうってその場で倒れたが、脚に力を込めて再び起き上がった。


灼熱の太陽より熱いわき腹からぬらりとわき出るものにも構わず。


再び、黒く長い棒のような物を私に向けて一匹が構えた。


私はヤツらを睨みつけた。


仲間たちはすでに全滅したのだろう。


嘶きや草を踏む蹄音が全く聴こえなかった。


ならば、私がすべきことはひとつ。


私が身構えた瞬間、またあの轟音が響いた。


しかし、血を吹き出したのは私でなかった――


それを受けたのは、頭と首から血を流していた母さんだった。


母さんは嘶いた――


『逃げて、生きなさい』


――と。