オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】

あたしは自分でも硬い、って解るほどの笑顔を無理やり作って言った。


「やっぱり、こんな重い話イヤだよね。
いいよ!聴かなかった事にして!もともとマモル君には何の関係もないんだし」


あたしは手をぱたつかせて、黙ったまんまのマモル君にハンドタオルを差し出した。


「これ、ちゃんと洗って返すね……」


あたしのその言葉は、途中で遮られた。


マモル君の手がハンドタオル越しに、あたしの手を包み込んだから。


「どうすればいいのか、俺も一緒に考えるよ。
だから渚さん、君は1人じゃない。1人で不安を抱え込まなくていいから」


1人じゃない……


そんな風に誰かに言われたのは、いつ以来だったろう?


マモル君の暖かな言葉と温もりに、あたしの止まったはずの涙がまたこぼれた。





「たぶん、地域を管轄してる児童相談所かセンターにまず報告するのがいいと思う。
こういう場合警察は介入させない方がいいね。後々面倒な事になるから」

マモル君はあたしが知らない知識をいっぱい知っていてすごいと思う。