オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】

「警察は器物破損容疑で捜査はしてくれる……って言ったけど、その当時大きな事件が立て続けに起こったからか、なおざりにしか対処してくれんかった。

悲しみに暮れた人たちは自衛団を作り、見回りや何がしかの対策を取るようになったんじゃ。

そしたら、犯人の手口が変わったんじゃ。

近所にもあるじゃろ?
あの公園は今もよく散歩コースになっておるが、当時もそうでな。愛犬家がよく早朝や夜に犬を散歩させる姿をよく見たもんじゃ。

惨劇は、その公園で始まった。

毒入りの餌が置かれて、それを口にした犬や猫が中毒死したんじゃ。

警察もそこまで行くと、いつ子どもとかに被害が及ぶかわからんから流石に動いてくれての。
警察の検死や血液中の分析の結果、毒が……何の種類か忘れたが、とにかく毒が検出されたんじゃ。

昔は今と違って散歩中でも犬を放してる場合は多かったし、猫なんかなおさらじゃ。
毒入り餌も、茂みの中なんかに隠されててな。
目が届かない間に口にして、そのまま倒れ死んじまうケースが多かった。
近所には30頭以上の犬や猫がおったが、その半分以上が毒餌にやられたのじゃ」