ファウンティンに捧ぐ歌

「おまえが見たがっていた映画、まだやってんのか?」

「えっ? うん。けど、それがどうかしたの?」

「さっきのアイスコーヒー代の代わりに、見せてやるよ」

「でも、それってまるで」



デートみたいじゃない?



「デートみたいだって? 当たり前じゃん。俺、今、おまえの事デートに誘ってんだぜ?」

照れもせず、守はニッコリ笑う。



「でも、守、『お膳立てしてもらうのは嫌だ』って言ったよね?」

「従利を巻いた時点で『お膳立て』じゃなくなったから、いいんだよ」