「ちょっと~……守、私の話、真面目に聞いてた?」 「もちろんっ」 窓から半分体を出したまま体の向きを変えずに返事をした守は、屋根を歩いて無事自分の部屋の中へ入ると、私の方を見て言った。 「従利には従利の考えがあるんだろ? 従利は従利、泉は泉。おまえは自分の思った通りにしていいんじゃねぇ? なっ?」 守って、時々こう言って、私の胸のモヤモヤを晴らしてくれる。