ファウンティンに捧ぐ歌

「草原を歩く人の後ろ姿。その人は、歌を口ずさんでいるの……それを聞いてると、心が安らぐ歌声」



従利は表情を変えずに、私をジーっと見ていた。



「夢の中だと、ずっと顔が分からなかったの。でも、ある時、夢の中でその人が『ファウンティン様……やっと、お会い出来ます。お約束の時が来ました』……そう言った。その日の朝、剣崎君が転校して来たの」



その言葉に、従利は眉間にシワを寄せた。



「私……心の何処かで『私には守が居るから、思い出しちゃダメ』って思っていた。でも、近くに居ると、思い出してしまいそうで……剣崎君が、怖かった」



従利は眉間にシワを寄せたまま、視線をそらした。