「しゃ~~ないわ」 なんて言ってる山科は、 それでもどこか嬉しそうで、 軽トラをとりに雨の中出て行った。 だから、 「なんなら、 家まで送ってもらったらいいやん?」 と呑気な所長のセリフにかぶせるように、 オレもつい、こんなことを言ってしまった。 「独身は独身同士ってことで・・・。」 山科とクミちゃんの 二人の仲を勧めるようなモノイイで、 本当は、オレはその成り行きに どこか不満を感じていたんだ。 きっと、オレはクミちゃんの本心に 触れたかったんだと思う。