~~~クミside~~~ 「あっ・・・。」 首筋に冷たいものが当たった。 「雨だ・・・。」 と私たちは、車に戻ることにした。 助手席に座ると、それまでの生温かい潮風も磯の香りも波の音も、すべてが遮断されて、また違う空気が流れていた。 闇に浮かぶオーディオの青白い光に、降り始めた雨が、私の中の寂しさを煽る。 「今週末、大阪帰らんでおることってできんよね・・・。」