「みんな自己紹介してくれ」 所長に促され、順番に所属と名前を 告げていく。 オレはキョロキョロと不安そうに動く 彼女の目をずっとみていた。 でも、そんな彼女のことをみていたのは オレ1人じゃなくて・・・ オレの斜め向かいの席に座る、同じ年の山科。 この現場で初めて一緒に仕事をしたんだけど、 何かにつけてオレをライバル視してくる いけ好かないヤツの顔が 少し赤くなっていたなんて、 この時のオレは気づくはずもなかった。