結局瑞穂に押し切られる形で、あたしは渋々家へと帰ってきた。





んで、パーティーが始まる前に、問題を解こうと頑張ってはいるんだけど……





「“頭だけ用いよ”って……頭を使えってこと???」




頭、あたま……





あ〜もう、全っ然わかんない。




「だいたい、このアルファベットはなんなのよ〜〜。
“H”に……“Xe”って、服のサイズじゃないだろうし……」






「楓ーーー!!ようちゃん、遅れてくるらしいから、先に始めましょう」





「ちっ……はいはい!」





下から聞こえてきた思考を遮断させる甲高い声に顔をしかめながら、持っていた紙をポンと机に置いて、あたしはリビングへと向かった。




そこには母親が言ったとおり、耀太の姿はなくて。




「楓、卒業おめでとう!
それと、ようちゃんにも“おめでとう”言わなきゃね」




「なんで?それを言うなら“お世話になりました”でしょ?
一応、娘の担任だったんだから……」




ヘンなこと言う保護者だなぁ……





「楓みたいな落ちこぼれの生徒を、無事に未来に導けたのよ?
“ありがとう”はもちろんだけど、“難しいミッションの成功おめでとう”よ」





はあ?ミッション!?






「とにかく、今日はとことん飲みましょう!」





結局それか〜い!





何かにつけて飲みたがる“のん兵衛”の両親に囲まれて、あたしは一人、ガツガツお寿司を頬ばることとなった。






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