すっごい大人っぽいかも……





動かす度に自分の手首を行ったり来たりしているシルバーの細いブレスに、しばらく見惚れてしまっていたあたしだけれど。





………って、
感激してる場合じゃなかった……
告白、告白……





肝心なことを思い出して、慌ててバッグをゴソゴソあさった。





そんなあたしの様子を首をかしげて見ていた耀太に、細長い箱を差し出す。





「はい、クリスマスプレゼント」



「俺に?」



「もちろん、耀太のために買ったんだから……」



「あー-…、なんか、ありがとな……」



「いえいえ、どういたしまして」





っていうか、いつ“好き”って言えばいいんだろ?
今まで告白なんてしたことないからなぁ……





驚いた表情をした耀太に満足しつつ、あたしはどのタイミングで切り出そうか悩む。





「……ネクタイ…?」





その間に包装紙から箱を取り出した耀太が、戸惑ったようにあたしを見つめた。





「うん。普段はジャージだから要らないけど、あたしの卒業式には必要不可欠でしょう?
気に入ってくれるかどうかはわかんないけど……」



「いや……すっげえ気に入った……」





箱からサーモンピンクにグレーのストライプが入ったネクタイを取り出した耀太は、一瞬嬉しそうに微笑んで、どこか感慨深げな表情をした。






「楓の卒業式、か……
そうだよな。あと2ヶ月で、俺はお前の担任じゃなくなるのか……

……それまでは……」





最後の方はよく聞き取れなかったけれど、耀太の言葉に、あたしははっとした。





そうだよ、あと2ヶ月じゃない。
それまで想いを伝えるのは我慢するって、自分で決めてたじゃない……





盛り上がっていた気持ちに、あたしは自らストップをかけた。






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